やさしくわかるコンプライアンス(あずさビジネススクール 著)


やさしくわかるコンプライアンス

概要

企業の不祥事が起こると、コンプライアンスが話題になります。「コンプライアンス=法令遵守」と認識されがちですが、法律に触れなくても、企業の利害関係者等の信頼を失うことなどは、コンプライアンス違反です。しかし、何が違反で、何が違反でないのかの線引きは、非常に曖昧なものです。そこで本書では、身近な事例を小説形式で取り上げることで、コンプライアンスがやさしくわかり、すぐに実現できるように工夫しています。

感想

第1話 コンプライアンスって何だ

  • コンプライアンスとは企業が利害関係者の信用を維持し、高める活動全般のこと
  • コンプライアンス経営方針に基づいて各種規定を整備する
  • 説明会、研修を開催する

第2話  個人情報の取り扱い

  • 企業は個人情報を取得する目的を明示し公正な手段で取得しないとならない
  • 取得した個人情報は明示した目的以外に利用してはならない
  • 本人の同意なく第三者に提供することはできない
  • 企業は取得した情報の安全管理義務を負う。個人情報の処理を外部に委託する場合、適正に委託先の管理を行わなければならない
  • 企業は取得した情報の正確性を維持しなければならない。本人からの情報開示・訂正などの要求に対しては正当な理由なく拒むことはできない

第3話 会社請求できるお金、できないお金

  • 企業は意味のある接待と私的な宴会を峻別する傾向にある
  • 極端なケースを除き、その判断は個人のモラルに委ねられる場合がある
  • 各企業は会社の方針として会社請求できる接待の範囲を明らかにする、従業員が迷わないように具体例を示す、事前・事後に上司の承認を得るなどの対応が必要

第4話 セクハラの基準

  • セクハラは被害者が不快だと思えば成立する。対価型と環境型の2種類がある
  • 対価型は職務上の立場、地位を利用して性的関係を迫り応じれば利益を、応じなければ不利益を与える行為をいう
  • 環境型は職場において性に関する言動を行うことによって性的弱者に不快感を与え働きにくい環境にする行為をいう
  • 男女雇用機会均等法は事業主に対してセクハラを未然に防ぐための措置を講ずることを求めている

第5話 接待はどこまで受けるべきか

  • 接待の目的には「取引に直接関係のある情報を交換する」「相手の尽力に対して感謝の意を表す」「相手の協調関係をより緊密にする」がある。これらの目的を果たしている接待は「意味のある接待」といえる
  • 接待を受ける場合、合理的な目的と理由があり接待の形式が社会通念上妥当な範囲にあることが重要

第6話 クレーム対応

  • クレーム対応は的確な初期対応でおおむね解決できる
  • クレームが発生した時点で何かコンプライアンス違反の疑いがあると思わなければならない
  • クレームは大事なお客からの情報だと考えることもできる。

第7話 何がパワハラになるのか

  • パワハラは職務上の権限を背景に、業務上の必要を超えて相手の人格や尊厳を傷つける言動を行い、職場環境を悪化させたり、雇用に関する不安を感じさせる行為である
  • 現状、法的な定義は救済手段も不十分である
  • 倫理面において差別行為を撤廃し誰にとっても働きやすい公平な環境をつくりステークホルダーである従業員の信用を損なわないようにする配慮が必要

第8話 集団による意思決定の問題点

  • 集団による意思決定は個人による意思決定と比べ「豊富な情報量と多角的な視点が得られる」「多くの人が承認したという事実から意思決定の結果が受け入れられやすい」「意思決定や実行の責任が分散される」といったメリットがある
  • 強力なリーダがいると意見等が引っ張られ的確な判断ができなくなるデメリットがある
  • 集団で意思決定を行う場である会議体を適切に運営・管理する必要がある


やさしくわかるコンプライアンス

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