概要
準備、設計、参加、進行、場づくり…成功のポイントがすべてわかる!
感想
オンライン会議はなぜうまくいかないのか?
オンライン会議のメリット・デメリット
オンライン会議のメリット
- 「いつでも」「どこでも」「誰とでも」話し合える
- カジュアルに集まって議論することで意思決定のスピードが上がる
- 記録が残しやすい
- テレワークでプライベートな環境で参加するとよりその人らしい発言が飛び出しやすくなる
デメリット
- F2Fに比べて言葉以外のメッセージが乏しい
- 阿吽の呼吸が取りづらい
オンライン会議はリアル会議の代替手段ではなく似て非なるものと考え、独自の作法を身に着けメリットを高めデメリットの影響を軽減することが望ましい。
オンライン会議にふさわしい会議のカタチ
そもそも会議が必要かを見直す良い機会。会議は4種類に分かれる。
- 連絡会議: 情報の伝達が目的。メールで代替可能。
- 検討会議: 実はみんなで話し合うより個人で考えた方がアイディアの質も量も高い。Slackなど非同期型のツールでアイディアを集めた後に相互にかけ合わせるのに向いている。
- 意思決定会議: 「みんなで決めた」というカタチが重要。オンライン化して効率化とスピードを高める。
- 問題解決会議: ゼロベースでみんなで話し合って合意形成を行う。オンラインだと難易度が高い。
テーマにも相性がある。
- 技術的問題: やり方を議論。オンライン会議にフィット。
- 適応的課題: 新しい思考の導入や行動の変革が必要。リアル会議の方が早い。
組織もボトムアップ型はオンライン会議に向くがトップダウン型は向かない。両社の一番の違いは心理的安全性(「このチームなら何を言っても受け入れてくれる」という感覚を共有すること)にある。特にランクの高い人の接し方やコミュニケーションの取り方がポイント。
ハドルミーティングに最適
ハドルミーティングとはアメフトのチームがフィールで行う作戦会議のこと。
「必要な時に」「少人数が」「短時間で」「何回も」開く
のがハドルミーティングのスタイル。オンライン会議のスタイルとして適している。
関係性のストックを貯めておく
オンライン会議とは別にF2Fで集まる機会を用意しておく。難しければSNSやオンライン飲み会で普段からお互いのことをよく知り、心理的安全性を高めておくことが大勢つ。
オンライン会議は段取りで7割が決まる
ストレスなく話せる環境を用意する。
- できるだけ画面の大きいパソコンを使う
- 安定した通信環境
- カメラを見下ろさないようにカメラの位置を高くする
- カメラに近づいてアップショットになるくらいの距離にする
- ヘッドセットを使う
- ITリテラシの低い人向けに事前に準備の時間をとっておく
オンライン会議で必要な役割
- リーダ: 決裁権を持つ人。いる場合といない場合がある
- ファシリテータ: 話し合いの進行をかじ取りして納得性の高い結論を導く人
- テクニカル担当: 会議システムやアプリの操作を補助したり技術的な問題に対処する人
- グラフィック担当: 論点や議事内容をホワイトボードにまとめる人
- チャット担当: チャットに書かれたコメントを監視して必要なものをピックアップする人
- タイムキーパ: 予定時間内に終わるようタイムマネジメントする人
アジェンダ、ゴールを最初に明確にすることでブレなく会議を進められる。
オンライン会議専用のルール
通常の会議でのルールに加えオンライン会議専用のルールを定める必要がある。
- 開始10分前にはログインしてウォーミングアップしておく
- 発言したい人は挙手をしてファシリテータに指名されてから
- 名前を告げてから話し始め「以上です」で締める
- 発言はコンパクトにまとめ1分以内でまとめる
- 思いや気持ちは言葉をつかって伝える
- 身振り手振りで発言に対するリアクションを表す
- 真剣に議論しつつ笑顔を忘れない
- 言いづらい話はチャットに書き込むかフリップに書いてみせる
- チャットへの投稿は【意見】【質問】【感想】と見出しをつける
また、意思決定のルール(反対する人がいなくなったら、最後は多数決、リーダが決裁etc)を決めることも大切。
気恥ずかしいムードを打ち破るには
会議を始める前にウォームアップとしてチェックイン(テーマを決めて全員が30〜60秒くらいで話を回す)を行う。もう少しやれそうなら
- カメラで部屋、家族、ペットなどを紹介する
- 最近撮った写真を共有してエピソードを話す
- ご自慢のアイテムを見せてモノ語りをする
や「クイズやアンケートを作り投票機能を使ってみんなに答えてもらう」なども盛り上がる。
オンライン会議で成果を生むマナーと振る舞い
- 画面オン、音声オフが基本。ラジオ参加はカメラもオフで良い
- 意見がある人は手を挙げる機能やフリップを使う
- 名前を告げてから発言する
- 相手ではなくカメラを見て話す
- テンションを上げて少しフランクに
- 相手に配慮しながらも言いたいことを言葉でキッチリと説明する
- 1回の発言はワンメッセージで簡潔にまとめ「以上です」で締める
- リアクションは大袈裟ぎみにとる
- チェックインと同様に会議後にチェックアウトとして全員で発言を回して行くのも良い
SMART会議を目指す
- Straight: 単刀直入に
- Mindfull: 今ここに集中
- Active: 活動的に
- Record based: 記録を元に
- Time oriented: 時間を意識
オンライン会議のスムーズな進行と場の回し方
- 一番早くログインして入ってくる人を一人ずつ迎える
- テンション3割増で
- 全員を平等に話し合いに参加させる
- みんなの心の中の声を言葉で表す
- 文章にまとめてオープンにする
- 会議が終わったらしばらくオープンにする。話し足りない人が残るなど絶好のコミュニケーションの機会になる
オンラインだからできる最新のチーム作り
会話・対話なくして議論はできない
- 会話: 知識、情報を分かち合う交流・共有のための話し合い
- 対話: 考えや意味を探求・発見するための話し合い
- 議論: 合意・決定のための話し合い
3つの話し合いを積み重ることが大切。会話・対話を通じて関係性をストックしていないと議論がうまくいかなくなる。
日常の会話で心理的安全性を高める
- ビジネスチャットとうまく使い分ける
- オンライン会議を使う場合は常時繋ぎっぱなしにして気が向いた時に話しかけるオンライン版の「もくもく会」
オンライン研修の時代がやってきた
デールのラーニングピラミッドいよると学習定着率は読書:10%, 講義:20%〜体験する・話し合う:70%, 他社に教える:90%と大きく差がある。
ライブ配信は簡単だが聴くだけだと学習定着率が低い。議論、体験を組み込む必要がある。主体は講義ではなく受講者にあるようにする。いわゆる反転教育にするのがオンラインにフィットしやすい教育方法。