概要(「BOOK」データベースより)
グーグルが何十億というウェブページから、探しているページをピンポイントで発見できるのも、正確な選挙結果の予測ができるのも、株式市場が機能するのも、すべて「みんなの意見」つまり「集団の知恵」のたまものである。多様な集団が到達する結論は、一人の専門家の意見よりもつねに優るという説を提示し、ウェブ時代の新しいパラダイムを予見。多くの識者に引用・推薦される、社会人必読の話題の教科書がついに文庫化。
感想
「集合知」というキーワードが広まったのは本書のおかげと言ってもいいくらいのベストセラー。
集合知はざっくり言うと
「集団の意見を集約するときわめて優れた知力を発揮し、往々にして集団の中でいちばん優秀な個人の知力よりも優れている。」
ということである。本書では「賢い集団」となるための要件が示されており、それは次の4つである。
- 多様性
- 独立性
- 分散性
- 集約性
そもそも優秀な個人であってもその能力に限界があり本書によると
「最低限の専門知識以上の専門性は変化の予測にはほとんど役に立たない」
らしい。さらにいわゆる専門家と言われている人は
「ただ間違っているだけではなくて、自分がどれくらい間違っているかすらまったくわかっていなかったのである」
と厳しい。逆に、多様な視点を持つメンバーがお互いに独立した状態でアイディアを出し、集約すると個々の人の知性を上回ることが起きるというわけである。