人工知能プログラミングのための数学がわかる本(石川 聡彦 著)

投稿者: | 2018-04-01


人工知能プログラミングのための数学がわかる本

表紙に

AIプログラミングに必要な高校数学・大学数学を基礎から効率的に総復習!

とあるように

  • 人工知能アルゴリズムを用いたモデルの根底を理解したい
  • 人工知能アルゴリズムを体系的に理解したい

人向けに「数学」にフォーカスした本です。

Deep Learningを含む機械学習の背後にある数学を復習するにも一から線形代数、微積、確率・統計を勉強し直すのは大変ですが、本書では

  • 微分
  • 線形代数
  • 確率・統計
  • Neural Network(NN)で現れる関数の性質
  • 誤差逆伝播法などNNで用いられる手法

など機械学習の理解に必要な項目に絞ってまとめられています。また、各Sectionが細かく区切ってあるのでちょっとした空き時間に読み進めやすいと思います。

本書の前半は「数学」にフォーカスしつつ、後半では実際にどう使われるのかを

  • 回帰(住宅価格の予測)
  • 自然言語処理(文学作品の作者推定)
  • Deep Neural Network(MNISTを題材に手書き文字認識)

を題材に解説しています。

ただ、応用例は丁寧に解説されてはいるのですが、PythonやRのサンプルコードがないので読み物で終わってしまうのが少し残念です。

また、自然言語処理は「数学」との関連が回帰やDeep Neural Networkと比べると薄くちょっと手広くやり過ぎている印象はあります。

他にもDeep Neural Networkは「中間層を多層化したNeural Network」のみでCNNなど画像認識で標準的に用いられる手法はカバーされていません。「画像認識ですごい性能を出しているアルゴリズムの中身を知りたい!」という人は別の書籍にあたった方が良いと思います。

前半の「数学」は機械学習に必要な項目に絞って丁寧に解説されているのでそこはじっくりと読んだ上で、後半の応用例は「あの時使ったアルゴリズムの背後ではこんな数学が使われていたんだ」と読み物として割り切って読むのがよいと思います。


人工知能プログラミングのための数学がわかる本

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