2015年 統計検定1級(統計数理)大問2
無作為標本[math]X_1,\dots,X_n\sim N(\mu, 1)[/math]を抽出する。[math]\bar{X}=\frac{1}{n}\sum_{i=1}^n X_i[/math]とし
- 帰無仮説[math]H_0:\ \mu=0[/math]
- 対立仮説[math]H_1:\ \mu>0[/math]
を考え、棄却域を
[math]
R=\left\{\bar{X}\ |\ \bar{X} > \dfrac{z_\alpha}{\sqrt{n}}\right\}
[/math]
とする。ここで[math]z_\alpha[/math]は標準正規分布の上側[math]100\alpha\%[/math]点である。この時、以下の問に答えよ。
- [math]n=10[/math]とし、[math]\bar{X}[/math]の値[math]\bar{x}[/math]が[math]0.3, 0.6[/math]の時のP値を求めよ。さらに[math]\bar{x}\geq 0.0[/math]の範囲でP値の挙動を示すグラフを図示せよ。
- [math]\bar{x}[/math]が観測された時のP値を標準正規分布の累積分布関数[math]\Phi(x)[/math]を用いて表せ。さらにP値が[math]\alpha[/math]より小さくなることと[math]\bar{x}\in R[/math]は同値であることを示せ。
- [math]\alpha=0.05[/math]とする。[math]n=9, 16[/math]の場合について[math]\mu=0.4, 0.8[/math]の時の検出力を求めよ。さらに[math]\mu > 0[/math]の範囲で検出力の挙動を[math]n=9, 16[/math]の場合について1つのグラフで図示せよ。
- [math]\alpha=0.05[/math]とする。[math]\mu=0.5[/math]のときの検出力を[math]0.8[/math]以上にするための[math]n[/math]を求めよ。
- この検定は有意水準[math]\alpha[/math]の一様最強検出力検定であることをネイマン・ピアソンの補題に基づいて示せ。
(出典:「統計検定 1級・準1級 公式問題集」。問題文を一部略記。)
シリーズ記事
- 過去問と解答例
- 2015年(統計数理)大問1
- 2015年(統計数理)大問1 解答例
- 2015年(統計数理)大問2(本記事)
- 2015年(統計数理)大問2 解答例
- 2015年(統計数理)大問3
- 2015年(統計数理)大問3 解答例