2019年 統計検定1級(理工学)大問4
時系列データ[math](\dots, X_{-1}, X_0, X_1, \dots)[/math]は1次の自己回帰モデル
[math]
X_t = \phi X_{t-1} + \epsilon_t\quad (t=\dots,-1, 0, 1, \dots)
[/math]
に従うとする。ここで[math]\epsilon_t[/math]は[math]N(0, \sigma^2)[/math]に従う互いに独立な確率変動項であり、[math]| \phi | < 1[/math]を仮定する。この時、以下の問いに答えよ。
- 自己共分散行列[math]T[/math]の各成分[math]\tau_{ij}[/math]は
[math]
\tau_{ij} = \dfrac{\sigma^2}{1-\phi^2}\phi^{|i-j|}
[/math]で与えられ、自己相関行列[math]R[/math]の各成分[math]\rho_{ij}[/math]は
[math]
\rho_{ij} = \phi^{|i-j|}
[/math]で与えられることを示せ。
- [math]n[/math]次対称行列[math]A=\left\{a_{ij}\right\}[/math]を
[math]
a_{ij} = \begin{cases}
1 &(i=j=1, i=j=n) \\
1 + \phi^2 &(i=j=2,\dots,n-1) \\
-\phi &(|i-j|=1) \\
0 &(|i-j| \geq 2)
\end{cases}
[/math]とする。この時、[math]\frac{1}{\sigma^2}T[/math]の逆行列は[math]A[/math]で与えられることを示せ。また、[math]\det A, \det R[/math]の値を求めよ。
- [math]A[/math]は正定値行列であることを示せ。
- 行列[math]A[/math]の[math](1, 1)[/math]成分のみを[math]\phi^2[/math]に置き換えた行列を[math]B[/math]とする。この時、[math]B[/math]は非負定値行列であることを示せ。また、[math]\boldsymbol{x}^T B \boldsymbol{x}=0[/math]となる[math]\boldsymbol{x} \ne \boldsymbol{0}[/math]を求めよ。
- 自己回帰係数[math]\phi[/math]は既知であるが、誤差分散[math]\sigma^2[/math]は未知の時、[math]\sigma^2[/math]の[math]95\%[/math]信頼区間の構成法を示せ。
(出典:統計検定HP「統計検定 1級の過去問題」。問題文を一部略記。)
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