夢幻花(東野圭吾 著)


夢幻花 (PHP文芸文庫)

あらすじ(「BOOK」データベースより)

花を愛でながら余生を送っていた老人・秋山周治が殺された。第一発見者の孫娘・梨乃は、祖父の庭から消えた黄色い花の鉢植えが気になり、ブログにアップするとともに、この花が縁で知り合った大学院生・蒼太と真相解明に乗り出す。一方、西荻窪署の刑事・早瀬も、別の思いを胸に事件を追っていた…。宿命を背負った者たちの人間ドラマが展開していく“東野ミステリの真骨頂”。第二十六回柴田錬三郎賞受賞作。

感想

元オリンピック水泳候補の秋山梨乃、原子力を研究する蒲生蒼太、蒼太には明かせない秘密を持つその家族、蒼太の初恋の人、殺された秋山に子供の万引き疑惑を助けられた刑事・早瀬…。それぞれが一見ばらばらの人生を歩んでいるようで「黄色いアサガオ」を軸に一点に収束していくストーリーは流石。

作中でキーとなる「黄色いアサガオ」は本当に幻の花のようで、2014年に”「幻のアサガオ」といわれる黄色いアサガオを再現“とニュースになっている。

もともとこの作品は連載されたものですが、作者が納得がいかなかったらしく単行本化にあたって全面的に書き直したそうです。出版社のHP

結局、「黄色いアサガオ」というキーワードだけを残し、全面的に書き直すことになりました。もし連載中に読んでいた方がいれば、本書を読んでびっくりされることでしょう。

と答えていました。一度書いた作品を思い切って書き直せるというのはすごいプロ意識ですね…。あらためて脱帽です。

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク