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大問1はぱっと見は確率の問題のようで中身は畳み込み級数の和の計算がほとんどで統計色の薄い問題セットでした。小問が6つありますが
- f(k)を部分分数分解してf(k)=g(k)−g(k+1)の形に変形
- ∞∑k=1f(k)=limn→∞(g(1)−g(n+1))を評価
を繰り返すだけで特に難しい問題もないので完答できた人も多かったと思います。
問題
- 壷から球を1つランダムに取り出す。
- 取り出した球が白ならば白い球を1つ壷に加え1に戻る。
- 取り出した球が赤ならば壷の中の白い球の数を数え、その数を得点Xとしゲームを終了する。
以下の問に答えよ。
(出典:「統計検定 1級・準1級 公式問題集」。問題文を一部略記。)
問1
得点がX=1となるのは1回目に取り出した球が赤の場合なのでP(X=1)=12である。
得点がX=k(≥2)となるのは
- 1~(k−1)回目に取り出した球が白
- k回目に取り出した球が赤
になる時なので
P(X=k)=12×⋯×k−1k×1k+1=1k(k+1)
であり、k=1の場合も成立する。
問2
明らかにf(k)≥0であり
f(k)=1k−1k+1
より
∑nk=1f(k)=1−1n+1
なのでn→∞として
∑∞k=1f(k)=1
が成立する。よってf(k)は確率関数である。
問3
E[X]=∞∑k=1kf(k)=∞∑k=11k+1=∞
なので平均は存在せず、分散も存在しない。
問4
まず明らかにP(k)≥0である。
次にP(k)の部分分数分解を求めると
1k(k+1)(k+2)–1(k+1)(k+2)(k+3)=3k(k+1)(k+2)(k+3)
なのでg(k)=1k(k+1)(k+2)とおくと
P(k)=6(g(k)−g(k+1))
と書ける。これより
n∑k=1P(k)=6(g(1)−g(n+1))
でありg(1)=16およびg(n)→0 (n→∞)より
∑∞k=1P(k)=1
が成立する。よってP(k)は確率関数である。
問5
E[Y]=∞∑k=118(k+1)(k+2)(k+3)
を求めれば良く
1(k+1)(k+2)−1(k+2)(k+3)=2(k+1)(k+2)(k+3)
に注意すると
∞∑k=118(k+1)(k+2)(k+3)=9∞∑k=1{1(k+1)(k+2)−1(k+2)(k+3)}=32
よりE[Y]=32である。
問6
E[Y(Y+1)]=∞∑k=118(k+2)(k+3)
であり問2より∑∞k=11k(k+1)=1なので
∞∑k=11(k+2)(k+3)=∞∑k=11k(k+1)–12–16=13
なので
E[Y(Y+1)]=6
である。また
V[Y]=E[Y2]−(E[Y])2=E[Y(Y+1)]−E[Y]−(E[Y])2=6–32–94=94
なのでV[Y]=94である。
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